当協会では、現代刀匠作品に対し『新作日本刀証明証』を発行しております。【対象作品:太刀、刀、脇指、短刀など】
発行の背景
古美術の世界では古来膨大な〝偽物〟が存在することは、いろいろな鑑定番組などで実証済みですが、日本刀の世界でも同様であることは皆さまもご認識の通りです。
古くは本阿彌家の「折り紙」が鑑定の基準となっておりましたが、これは主に将軍家や大名家同志の間で流通するときに必要だったもので、一般にはあまり関係のないものでした。
戦後、大名家や名家から流出した古名刀を含めた日本刀は多くの一般愛刀家の所有となり、高度成長にあわせて愛刀家の数も増加しました。古来、刀剣・古美術の世界では膨大な“擬物“が存在することから、各関係団体が発行する「認定書・鑑定書」は愛好家や一般の方にとりましても価値を高める基準となり、日本刀は日本独自の美術品として認知され確固たる地位を確立したと言えましょう。
しかし、現代作家の作品には、公的な機関からの「認定書・鑑定書」のようなものは無く、昨今、現在活躍中の有名作家の〝偽物〟が残念ながら増加し実際に出回っていることは周知の事実であります。当協会では、現代刀作家作品の価値を貶めないため、また刀剣界の信用のためにも、『新作日本刀証明証』を発行しております。また、この証明証は海外の刀剣ファンのためにも英語表記を加えてあります。
戦後、現代刀は刀職者のたゆまぬ努力により技術や美術性が着実に向上し、これまで刀匠の重要無形文化財保持者が6名にもなり、現在は、また更に魅力的な作品を製作しています。そのような時代背景から、特に現代刀作家作品は確実に正真であることを証明するものでなくてはなりません。その意味でも、この証明証が今後ますます現代刀の貴重な資料となってまいります。
現代刀を愛好される皆さま、刀剣商の皆さま、また刀職者の皆さまにとりまして信頼性と価値を高める基準となる『新作日本刀証明証』を活用して頂ければ幸甚に存じます。
発行する意義
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刀剣商の皆さまにとって
「新作日本刀証明証」をつけて販売することにより、その刀への信頼性が確定します。また売買の際も、海外及び国内の偽物とはっきりと一線を画すことが出来て、最も重要な刀剣商の皆さまの信用を落とすことなくお客様とのお取引ができるのではないでしょうか。
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愛刀家の皆さまにとって
現代刀を持つ上で非常に重要になるのが、その刀が正真なものか否か。決して安価ではない刀に対して〝偽物で無い本物〟である証明証があると言う事は、今後、その刀を持ち続ける上でも、あるいはほかへの譲渡を考える上でも非常に重要であります。そうでなくとも本物を所有する喜びと安心感は愛刀家にとって大切な点なのではないでしょうか。
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刀匠の皆さまにとって
精魂込めてご自身で作られた作品が、公益財団法人に記録として残ることになりますので、ご自身の手から離れた作品であっても後世にきちんと伝えていくことができます。古刀をはじめ数百年にわたって現存している日本刀の歴史を考えますと今から記録を残していく事は公益財団法人として大変意義深いことだと考えております。また偽物対策としても、大いに力を発揮しご自身の信用を落とすことなく安心して活動を続けることができるのではないでしょうか。
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輸出の際の活用に
この「新作日本刀証明証」により、発行された刀が古美術品に該当しないことを証明し、文化庁発行の「古美術品輸出鑑査証明」の代わりとして使用できることを確認しました。税関などの関係機関からも問題ないとの回答を得ています。「新作日本刀証明証」に追加発行される「税関提出用第二様式」を提出することで、「古美術品輸出鑑査証明」の提出が不要となります。この「税関提出用第二様式」には有効期限がないため、輸出の可能性がある場合、事前に用意しておけば、改めて輸出書類を申請する必要が無く、即時、輸出可能となります。
発行の流れ
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STEP 1
証明証の申請手続き
「新作日本刀証明証」の発行をご希望の方(刀剣の所有者・刀匠ご自身)は、随時受付しておりますので、事務局へ電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。
その際、ご希望の刀匠名を伺います。「発行実績のある刀匠一覧」(確認はこちら)に記載がない場合は、当協会より刀匠へ連絡を取り、発行可能か確認のうえ折り返しご連絡いたします。
発行実績のある刀匠、または新たに発行可能となった刀匠の場合、発行のため刀身の送付先住所・連絡先をお伝えいたします。
【刀身を送付する際の注意事項】- 宅配便の品名欄には「工芸品」と記載してください。
- 「銃砲刀剣類登録証」とともに発送してください。
※従来は登録済みの刀匠のみを対象としていましたが、今後は登録不要となりますので、刀匠がどなたでも、まず気軽にお問い合わせください。
※「銃砲刀剣類登録証」のみでは刀の正真性を証明できません。
刀匠の皆様にとりましても、本証明証により自身の作品が当協会に登録・蓄積されることで、国内外における正真性の証明となります。ぜひご活用ください。 -
STEP 2
刀身の撮影・計測
お預かりした刀身の撮影と各種計測を実施いたします。
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STEP 3
発行に要する期間
通常、計測のためにお預かりした後、以下の流れで証明証を発行いたします。
- 計測作業(数日)
- 取得データをもとに証明証を作成
- 刀匠へ証明証および確認書類一式を送付(必要に応じて刀身も送付)
- 刀匠による内容確認・署名
- 本部事務局へ返送後、各種確認・押印し証明証を正式発行
- お客様へ発送
海外への輸出を予定されている方は、事前に準備することで「税関提出用第二様式」を取得でき、海外への即時持ち出しが可能になります。
御刀の運搬には、ガンケースなどの専用ケースを事前に用意しておくと便利です。
発行までの目安: 刀匠のご都合にもよりますが、10日〜2週間ほどでお手元に届きます。
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STEP 4
発行料
新作日本刀証明証(税関提出用第二様式含む)発行料:一振につき 5万円(+消費税)
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STEP 5
照会について
将来、証明証の内容について照会が必要な場合は、事務局へお問い合わせください。記載されていない詳細データを確認のうえご回答いたします。
照会料: 一振につき 2万円(+消費税)
現代刀輸出時の活用
公益財団法人日本刀文化振興協会は、現代刀匠が製作した刀の正真を保証するため、令和3年6月より『新作日本刀証明証』(以下「証明証」)を発行しています。 この「証明証」を発行された現代刀が古美術品に該当しないことを証明し、文化庁発行の「古美術品輸出鑑査証明」の代わりとして使用できることを確認しました。税関などの関係機関からも問題ないとの回答を得ています。
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税関での手続きについて
税関で提出する書類は返却されないため、「証明証」に追加発行される当協会発行の「税関提出用第二様式」を提出することで、「古美術品輸出鑑査証明」の提出が不要となります。この「税関提出用第二様式」には有効期限がないため、輸出の可能性がある場合、事前に用意しておけば、改めて文化庁発行の「古美術品輸出鑑査証明」を申請する必要が無く、即時、輸出可能となります。 引き続き、現代刀の正真保証および偽物防止に寄与する「証明証」をぜひご活用ください。
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「税関提出用第二様式」の入手方法
令和7年4月以降の発行 「証明証」発行時に、申請者の意向に基づき無料で発行します。
令和7年3月以前発行の証明証の場合 お手元の「証明証」を日本刀文化振興協会事務局へ送付してください。「税関提出用第二様式」を発行後、「証明証」と共に返送いたします。 -
ご注意
この取り扱いは、刀匠本人の確認を経て『新作日本刀証明証』が発行された現代刀に限られます。明治の廃刀令以降に制作された刀全般が対象ではありません。
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お問い合わせ
『新作日本刀証明証』および「税関提出用第二様式」の発行は当協会が行います。発行手続きの詳細は下記までご連絡ください。(※発行は文化庁ではありません)メールでのお問い合わせの際、メールタイトルに「証明証に関する件」とご記載ください。
発行実績のある刀匠一覧
※令和7年9月現在
| 刀匠名 | 氏名 |
|---|---|
| 赤松太郎兼嗣 | 木村 兼定 |
| 赤松太郎兼裕 | 木村 馨 |
| 赤松太郎兼光 | 木村 光宏 |
| 榎本 貞人 | 榎本 栄七郎 |
| 安達 貞茂 | 安達 茂文 |
| 小栗 基重 | 小栗 辰巳 |
| 大野 義光 | 吉川 三男 |
| 月山 貞利 | 月山 清 |
| 月山 貞伸 | 月山 一郎 |
| 金田 國真 | 清水 達吉 |
| 小島 慶雲 | 小島 寛 |
| 上山 輝平 | 上山 陽三 |
| 川﨑 晶平 | 川﨑 仁史 |
| 河内 一平 | 河内 一平 |
| 上林 恒平 | 上林 勇二 |
| 桔梗 隼光 | 桔梗 光史 |
| 國廣 | 中畑 貢 |
| 久保 善博 | 久保 善博 |
| 冨岡 慶正 | 冨岡 慶一郎 |
| 根津 秀平 | 根津 啓 |
| 二十五代藤原 兼房 | 加藤 賀津雄 |
| 三上 貞直 | 三上 孝德 |
| 松田 次泰 | 松田 周二 |
| 源 清継 | 松永 源六郎 |
| 宮入 小左衛門行平 | 宮入 恵 |
| 明珍 宗裕 | 明珍 裕介 |
| 森 助光 | 森 光秀 |
| 吉田 康隆 | 吉田 康隆 |
| 吉原 義人 | 吉原 義人 |
※50音順 敬称略
※このほかの刀匠も順次載せて参りますのでご不明な点はお問い合わせください。
