ごあいさつ

 明治29年の公益法人制度発足以来約110年ぶりの抜本的改革である公益法人三新法が施行された平成20年12月1日、私たちは「一般財団法人日本刀文化振興協会」(略称「刀文協」)を設立しました。その後、上位の公益財団法人を目指して準備を進めてまいりましたところ、平成21年12月10日付をもって内閣総理大臣よりその認定をいただきました。

 新制度の公益財団法人は、民法第34条に基づいて設立された従来の公益法人と異なり、ガバナンス(透明性・公正性 を保障する仕組み)に関するさまざまな事項が法律で定められており、それに従って自らが責任を持って自主的・自立的に運営してゆかなければなりません。一方、「特定公益増進法人」として税制上の手厚い優遇措置等も設けられています。

 私たちには今、何よりも文化および芸術の振興を目的とし、不特定かつ多数の利益の増進に寄与する「公益事業」を担っていくことが、強く求められています。私たちは日本刀を通して、それを推進します。

 日本刀は近年、海外においても高い評価を受けており、その比類なき価値を享受する機会が熱望されています。伝統や遺産を守ることのみに固執せず、内外の期待には積極的に応えていきたいと考えます。

 日本刀はかつて日本の文化そのものであり、日本人の魂を映す鏡でありました。私たちは、日本刀を通して文化や人々 の心が豊かになることを願い、ここに「日本刀文化」の振興を提唱します。日本刀文化とは、わが国の歴史の中で培われてきた知的財産であり美風であるとともに、新たな中身を盛る器でもあります。

 日本刀の良き伝統と文化を継承しつつ、併せて時代に適応する日本刀の新しい価値を創造し、広く世界に向けて訴求し「人類の宝」としていくことが、今に生きる私たちの責務であると確信します。

 志ある多くの方々と、ともに手を携えて日本刀文化の振興に取り組みたく、ご理解をお願い申しあげます。

平成22年 春

会長 柳井 俊二